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顧客を組織として扱うMSP請求

複数の顧客のシステムを代行運用する事業者は、WhaTapから請求書を1通受け取り、顧客別に分けて再請求します。このガイドでは、その構成を組織とグループで設計し、毎月顧客別の金額を取り出す方法を整理します。

このガイドが適している方
  • 複数の顧客のモニタリングを代行するMSP事業者
  • 販売代理店やSI運用会社のように、顧客との契約を自社名義で結ぶパートナー
  • 社内の複数の事業部のインフラ費用を部門別に配賦する必要がある共通運用部門

構成の選択​

WhaTapの階層は、組織とグループの2段だけです。顧客をどこに置くかによって、顧客の下に分類の階層が残るかどうかが変わります。

比較項目顧客 = グループ顧客 = 組織
組織が意味するものMSPの事業部顧客
適した顧客数数十から数千10社前後
顧客の下の分類プロジェクトのみグループが1段残る
顧客間を移動するとき同じ画面でそのまま移動組織を切り替え。モニタリング画面が再読み込みされる
顧客が増えるとグループが増える組織が増える
顧客別の合計が表示される基準グループ基準組織基準

顧客が多く、担当者が複数の顧客を行き来して参照する場合は、顧客をグループに置いてください。 組織数が事業部の数に保たれ、画面の切り替えが発生しません。

顧客が少なく、顧客ごとに本番系と検証系のように内部をさらに分ける必要がある場合は、顧客を組織に置いてください。 顧客の下にグループが1段残ります。

組織の切り替えは請求画面だけの話ではありません。 組織を変更すると、その下のグループとプロジェクトの一覧を再度読み込むため、普段のモニタリング画面でも顧客を移動するたびに切り替えが発生します。担当者1人が1日に複数の顧客を行き来する場合、この待ち時間が毎日繰り返されます。

ほかの構成は顧客をグループとして扱うMSP請求を参照してください。

事前準備​

  • WhaTapアカウントの作成と決済情報の登録が完了していること
  • 顧客の一覧と、各顧客が使用する環境・システムの一覧が整理されていること
  • 料金と決済で決済担当者の概念を確認していること
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決済情報を先に登録してください。 決済情報がないアカウントでは、決済担当者を指定するトグル自体が無効になります。構成をすべて作ったあとで最後に止まる事態を避けられます。

料金の算定単位と請求単位​

構成を設計する前に、2つを区別する必要があります。

区分単位意味
料金の算定プロジェクト、商品何をどれだけ使用したか
請求アカウント誰に請求書を送るか

WhaTapはプロジェクトと商品の単位でのみ料金を算定します。組織とグループは料金を生み出す単位ではなく、決済担当者を指定する場所です。組織やグループで表示した金額は、その下のプロジェクトごとに算定した金額を合計した値です。

そのため、組織とグループをどのように分けても総額は変わりません。変わるのは、その金額をどの単位でまとめて表示できるかです。顧客別の再請求が目的であれば、顧客を1つの単位としてまとめて表示できるようにします。

階層構造​

階層は次のように設計します。

MSP事業者はアカウントです。 組織やグループではありません。請求書を受け取る主体はアカウント1つで、その下で顧客を組織として分けます。

組織が顧客です。 顧客を組織に置くと、課金と権限を顧客単位で一度にまとめられます。

グループは顧客のなかの環境やシステムです。 本番と検証、AWSとAzureのように、顧客が自社のなかで分けて参照する軸です。顧客が環境別の内訳を求めたときに、そのまま提示できます。

この配置には3つの利点があります。

請求書に顧客別の合計が1行ずつ表示されます。 組織基準の表示がそのまま顧客の一覧になります。組織を作成していないアカウントには、組織基準自体が表示されません。

決済担当者は顧客ごとに一度指定すれば済みます。 決済担当者は、プロジェクトから始めてグループ、組織の順に上へたどって探します。組織に指定しておけば、その下のグループとプロジェクトは個別に指定しなくても継承します。顧客の環境が増えても手間がかかりません。

最も近い階層に指定した担当者を使用します。プロジェクトに指定した担当者があれば、グループと組織は参照しません。

顧客が直接決済する例外は、上書きで処理できます。 特定の顧客だけが自社で決済する場合は、その組織の担当者を顧客のアカウントに指定します。ほかはMSPアカウントのままにします。

この構成の限界​

顧客を移動するたびに組織を切り替える必要があります。 画面は現在選択している組織の下のグループとプロジェクトだけを表示し、組織を変更するとその一覧を再度読み込みます。請求画面だけでなく、普段のモニタリング画面でも同じ切り替えが発生します。担当者1人が1日に複数の顧客を行き来する場合、その分だけ待ち時間が増えます。

顧客が増えると組織も一緒に増えます。 管理する組織数が顧客数に比例して大きくなるため、顧客が数十社を超えるとこの構成では対応が難しくなります。そのときは顧客をグループとして扱う構成に移行してください。

ノート

1つのプロジェクトは1つのグループにのみ属します。 そのため顧客別の金額を合計するときに二重計上が発生せず、各行の合計が総請求額と正確に一致します。

① 顧客ごとに組織を作成する​

  1. ホーム画面の右上のプロフィールアイコンを選択し、組織の管理メニューを選択します
  2. 顧客1社に組織を1つ作成します
  3. 組織名を顧客の名称に合わせます

組織名は請求内訳にそのまま表示されます。 再請求の資料を作成するときに名称を再度マッピングしなくて済むよう、契約書や社内の会計システムで使用する顧客名称に合わせてください。

詳細は組織の管理を参照してください。

② 環境とシステムでグループを分ける​

顧客の組織の下にグループを作成し、環境やシステムを分けます。

  • 環境で分ける: 本番、検証、開発
  • インフラで分ける: AWS、Azure、オンプレミス
  • サービスで分ける: コマース、精算、バックオフィス

顧客が自社の費用をどの軸で参照したいかに合わせます。顧客が詳細な内訳を求めない場合は、グループを1つだけ置いても構いません。

プロジェクトはそのグループの下に置きます。

詳細はグループの管理を参照してください。

③ 決済担当者の指定​

メンバー一覧画面で、決済担当者として指定するメンバーの権限を開き、課金権限をオンにします。このアカウントが、その組織の下のすべての料金を請求されます。

すべての顧客組織に同じMSPアカウントを指定すると、請求書が1通にまとまります。顧客が直接決済する場合にのみ、その組織で顧客のアカウントを指定してください。

ノート

決済担当者を変更するには承認の手続きが必要です。請求を受けるアカウントが誤って失われることを防ぐための仕組みです。手続きは決済権限の移譲を参照してください。

担当者は毎月1日の未明に確定します。 請求データを作成する時点の担当者がその月の請求書に記録されるため、月の途中で担当者を変更してもその月の請求書は変わりません。翌月の請求書から反映します。

④ 月中に顧客別の金額を確認する​

ホーム画面の右上のプロフィールアイコンを選択し、利用内訳メニューを選択します。左側のメニューで請求書プレビューを選択します。今月1日から照会する時点までを集計した金額です。

請求内訳テーブルの上にある組織ボタンをクリックすると、顧客別の合計が1行ずつ表示されます。各行には、含まれるプロジェクト数と金額があわせて表示されます。

行を展開すると、その顧客のプロジェクトと商品別の詳細な内訳が表示されます。グループ基準に切り替えると、環境別の合計を参照できます。どの基準で表示しても、各行の合計は総請求額と一致します。

月中の金額はまだ確定していない値です。顧客に送る請求書は、翌月の確定版で作成してください。

詳細は請求書プレビューを参照してください。

⑤ 月末に再請求資料を作成する​

月が終わったら、左側のメニューで請求及び支払履歴を選択します。その月の確定金額を確認できます。使用金額に税額を加えた値と未払い額を合計したものが、総請求額です。

月別一覧からCSVをダウンロードする機能は準備中です。現時点では請求書プレビューで今月の内訳をCSVで取得し、組織のカラムに集計できます。確定金額はこの画面で確認してください。

詳細は請求および納付履歴を参照してください。

⑥ 未分類プロジェクトの管理​

組織やグループに入れていないプロジェクトは、どの顧客の請求にも含まれません。 請求内訳では未分類として別にまとめて表示し、料金はそのプロジェクトの決済担当者に個別に請求します。

新しいプロジェクトを作成するときにグループの割り当てを漏らすと、その費用を顧客に請求できず、MSPがそのまま負担することになります。金額が合わない原因として最も多いものです。

プロジェクトを作成する手順で、グループの割り当てを最後の工程として固定してください。毎月請求書を確認するときに、未分類の行が空であることを最初に見るのもよい習慣です。

結果の確認​

  • 顧客ごとに組織が1つずつあり、組織名が契約書・会計システムの顧客名称と一致している
  • 各組織の下に、環境やシステムの単位でグループが分かれている
  • すべての組織に決済担当者が指定されており、直接決済する顧客だけを例外としている
  • すべてのプロジェクトがいずれかのグループに属しており、未分類が空である
  • 月末に顧客別の金額を一度の照会で取得し、社内の会計システムにそのまま移せる

構成を一度作っておけば、顧客が増えても精算の方法は変わりません。組織を1つ追加し、その下にグループとプロジェクトを入れるだけで済みます。

次のステップ​