AIアクティブスタック分析の活用
トランザクションが遅くなったときに アクティブスタック を掘り下げる作業は、熟練した開発者にとっても時間がかかります。複数のスタックダンプを読み、共通パターンを見つけ、重大度を判断する一連の作業が必要です。WhaTapの AIアクティブスタック分析(Beta)はこのプロセスを自動化し、スタック分析の経験がないユーザーでも原因把握と対応方向を即座に 得られるようにします。
事前準備
- プロジェクトの メンバー 以上の権限
- 分析するトランザクションが収集されている(ヒットマップまたはトランザクション一覧から確認可能)
利用方法
経路: トランザクショントレース > アクティブスタック タブ > アクティブスタック分析 ボタン
- ヒットマップまたはトランザクション一覧から、分析するトランザクションを選択してください。
- トランザクション詳細画面で アクティブスタック タブを選択してください。
- 上部の アクティブスタック分析 ボタンをク リックしてください。
- AI分析結果を4つのセクションで確認してください。
- 各セクションの
No.Nスタック番号をクリックし、該当スタックの原本を確認してください。
分析結果の構造
AIが収集したスタックダンプを分析し、以下の4つのセクションで結果を提示します。
表 | AI分析結果の構造
| セクション | 内容 |
|---|---|
| 全体サマリー | 分析したスタック数と、全体の実行フローのサマリー |
| 共通パターン | 繰り返し現れる実行パターン(パターン名・発生回数・説明) |
| 検出された問題 | 性能問題 + 重大度(High/Medium/Low)+ 判断根拠のスタック |
| 推奨事項 | 優先度に基づいた具体的な改善方向 |
重大度の判断基準
表 | 重大度の判断基準
| 重大度 | 基準 |
|---|---|
| High | デッドロック、完全ブロッキング、同一ブロッキングが4回以上繰り返される |
| Medium | I/O待機、2〜3回のロック競合、遅い外部呼び出し |
| Low | 単発の待機、軽微な最適化の機会 |
デッドロックや完全ブロッキングのようなHigh問題 は人がスタックを眺めて発見するには時間がかかりますが、AIが自動で識別し重大度と共に提示します。
使うべき場面
障害対応中(最も有用)
障害対応シナリオ の ③ 原因分析ステップで、トレース・スタックの解釈時間を大幅に短縮します。
- ヒットマップで遅いトランザクションを選択し、トレースに入ってください。
- アクティブスタック タブで アクティブスタック分析 ボタンをクリックしてください。
- AIが分析結果を提示します(数秒〜十数秒)。
- High問題 から確認し、該当スタックの原本までドリルダウンしてください。
リリース検証時
デプロイ後に応答時間が跳ねた時点のトレースにAI分析を適用すると、回帰原因がコードレベルのボトルネックなのか、I/O・ロック競合なのかを素早く区別できます。リリース検証シナリオ の ② 急性回帰検知で活用してください。
定期的な性能チューニング
平常時は見えにくい潜在的ボトルネック(Medium/Low)を四半期ごとにスキャンし、改善バックログとして確保してください。性能レポーティングシナリオ の四半期振り返りに組み込めます。
AI分析の限界を理解して使う
AIの出力は 一次仮説 であり、最終結論 ではありません。次のように活用してください。
- AIが提示したHigh問題は、原本のスタックで突き合わせ確認 してから判断する
- ビジネス的な文脈(直近のデプロイ、トラフィックイベントなど)はAIには見えない — 時点情報と組み合わせて解釈する
- 繰り返し分析しても結果が一貫しないことがある(LLM特性)— 観測可能な指標(応答時間・エラー率)で最終検証する
関連するAI分析機能
WhaTapは「スタック」以外にも複数のAI分析機能を提供しています。必要に応じて組み合わせると効果が大きくなります。
表 | 関連するAI分析機能
| 機能 | 使う場面 |
|---|---|
| AIアクティブスタック分析(本ガイド) | トランザクショントレースでボトルネック区間を特定 |
| AIスレッドダンプ分析 | インスタンスパフォーマンス管理でスレッドのブロッキング・ロック競合を解釈 |
| AI SQLチューニングガイド | 非効率なクエリの特定+実行計画に基づく改善提案 — DBリアルタイム監視 と補完 |
| AIブラウザエラー・スタック分析 | フロントエンドエラーのコードレベル原因の提示 — RUM と補完 |
| WhaTap AI チャットボット / MCP | 自然言語でWhaTapデータ全般を問い合わせ — MCP連携 |
次のステップ
- アクティブスタックの深掘り → ヒットマップ・トレース - アクティブスタックAI分析
- 障害対応フローに組み込む → 障害対応シナリオ
- DB側のAIチューニングと組み合わせる → データベースリアルタイム監視
- 自然言語でWhaTapに問い合わせる → MCP連携