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モバイルモニタリング

モバイルモニタリング

モバイルモニタリングは、アプリ起動時間、API 応答時間、画面レンダリング性能、クラッシュおよび ANR (Application Not Responding) など、モバイルアプリケーションの多様な性能指標を収集・分析します。収集・分析したデータを活用してボトルネックや性能問題を把握し、最適化できます。また OS バージョン別やデバイスモデル別に性能差を把握でき、最適なユーザー体験を提供するためのデータを提供します。

モバイルモニタリングが必要な理由

多様なデバイスと OS 環境で一貫したユーザー体験を提供

モバイルエコシステムには数千種類のデバイスモデルと多様な OS バージョンが共存しています。低スペックから最新フラッグシップまで、Android 8〜14、iOS 12〜17 など、さまざまな環境でアプリが動作します。開発環境で正常に動作しても、一部のデバイスや OS バージョンで問題が発生することがあります。このような断片化された環境で全ユーザーに一貫した体験を提供するには、リアルタイムモニタリングが不可欠です。

不安定なネットワーク環境でのアプリ性能最適化

モバイルユーザーは WiFi、5G、LTE、3G などのネットワーク環境を切り替えながらアプリを使用します。地下鉄、エレベーター、山間部など不安定な環境でもアプリが安定して動作する必要があります。ネットワーク切り替え時に発生する切断、タイムアウト、再試行ロジックをモニタリングし、体感品質を改善できます。

クラッシュや ANR によるユーザー離脱を防止

クラッシュや ANR が発生すると、ユーザーは即座にアプリを終了し、否定的なレビューを残したりアプリを削除したりする可能性が高いです。特にアプリストアの評価は新規ユーザーの獲得に直結します。リアルタイムでクラッシュを検知し原因を分析して迅速に対応することで、ユーザー離脱を最小化し、アプリストア評価を維持できます。

バッテリーとメモリ使用量最適化による満足度向上

モバイルデバイスはバッテリーとメモリリソースが限られています。過度なバッテリー消費やメモリリークは性能低下を招き、ユーザー不満を引き起こします。CPU 使用率、メモリ使用量、バッテリー消費パターンをモニタリングすることで、効率的にリソースを利用するアプリを構築できます。

アプリ起動時間と画面遷移性能の改善

ユーザーはアプリがすぐに起動し、スムーズに動作することを期待します。コールドスタート、ウォームスタート、ホットスタート時間を測定し、画面遷移の遅延やカクつきを検知して体感速度を改善できます。競合アプリと比較して優位性を保つためには、継続的な性能モニタリングが必要です。

リアルタイム配布モニタリングによる安定的なアップデート

アプリ更新後に予期しない問題が発生することがあります。新バージョン配布直後にクラッシュ率、API エラー率、性能指標の変化をリアルタイムでモニタリングすることで、問題が拡大する前に迅速に対応できます。段階的配布 (Staged Rollout) の各段階で指標を確認し、安全なリリースを保証できます。

主要機能

モバイルモニタリングは、実際のユーザー環境でアプリの性能・安定性・使いやすさを総合的にモニタリングします。以下の主要機能を提供します。

アプリ起動性能情報の提供

アプリがどれだけ速く起動するかをモニタリングします。コールドスタート(完全終了状態からの起動)、ウォームスタート(バックグラウンドから復帰)、ホットスタート(最小化状態から復帰)の時間を測定します。起動プロセスの各段階の所要時間を分析し、ボトルネックを特定して最適化できます。

ネットワークリクエスト性能情報の提供

すべてのネットワークリクエストの性能をモニタリングします。リクエストごとの応答時間、エラー率、ペイロードサイズ、再試行回数を測定します。ネットワークタイプ(WiFi/Cellular)ごとの差を分析し、遅い環境でのタイムアウトや失敗を追跡します。これにより API 最適化やオフライン戦略を立てられます。

画面性能情報の提供

画面ロード時に実行されるすべてのメソッド性能を追跡します。onCreate などのライフサイクルメソッドからデータバインディング、レイアウトインフレーション、ビジネスロジック処理までを測定します。メソッド呼び出しツリーを通じてどのメソッドが遅延を引き起こすかを把握し、メインスレッドをブロックする重い処理を特定できます。画面ごとの性能プロファイルを作成し、優先的に改善が必要な画面を最適化できます。

クラッシュおよび ANR 情報の提供

クラッシュや ANR をリアルタイムで検知し、詳細なスタックトレースを収集します。発生時のデバイス状態(メモリ、バッテリー、ネットワーク)、ユーザー行動、アプリバージョンを同時に収集し、再現やデバッグを容易にします。クラッシュ傾向をモニタリングして安定性を定量的に管理できます。

ユーザー環境分析

OS バージョン、デバイスモデル、アプリバージョン、地域、通信事業者、ネットワークタイプなどの多様な次元で性能指標を分析します。特定のデバイスや OS バージョンに限定された問題を迅速に特定し、ユーザー分布に基づいて最適化の優先順位を決定できます。

モバイルモニタリングを始める

次の手順でモバイルモニタリングを開始できます。

  1. WhaTap アカウントをお持ちでない場合は 会員登録 を行ってください。
  2. サポートされるプラットフォームと最小要件を確認してください。
    • Android: minSdkVersion 21 以上
    • iOS: iOS 11.0 以上
  3. WhaTap モニタリングサービス にアクセスし、モバイルプロジェクトを作成してください。
  4. プラットフォーム別 SDK をインストールし、初期化コードを適用してください。
  5. アプリをビルド・配布してリアルタイムモニタリングを開始してください。